2011.11.24【社長会見】東海道新幹線の雪対策について
東海道新幹線は、冬季に岐阜羽島〜京都間の「関ヶ原地区」を中心とした降積雪に対し、地上設備、車両設備に様々な対策を実施してきました。
今年度も12月から3月までを冬期輸送対策期間と位置付け、これまでの経験を活かした様々な対策を実施し、安全を確保した上で、安定した輸送を実現することに取り組みます。
1.降積雪による列車運行への影響の仕組み
・分岐器への雪介在等、積雪は直接的に列車の正常運行に支障をきたす場合がありますが、
これまでの除雪・融雪対策により、これによる列車遅延はほとんどありません。
・一方、列車の速度が高くなるにつれ、舞い上がる雪の量は多くなり、車体に付着する雪の量も多くなります。
この車体に付着した雪が落下する際、列車の速度が高いほどバラストを跳ね飛ばす可能性が高くなるため、
降積雪区間および隣接区間において運転速度を規制することが必要です。現状ではこれによる遅延が大半を占めます。
2.安全、安定した列車運行を確保する取組み
○地上設備に関する積雪対策
・ラッセル車、除雪機械(ロータリーブラシ式)による除雪(図1、2)
・分岐器の不転換防止(図3)
⇒電気融雪器により、分岐器の可動部分への雪介在による不転換を防止します。
○車体への着雪対策
・雪の舞い上がり量を減少させるための散水による濡れ雪化(図4)
・主要駅(名古屋駅、新大阪駅等)での雪落とし作業の実施(図5)
⇒除雪や濡れ雪化を図っても、車体へ付着してしまう雪を取り除きます。
・営業開始前の回送列車の運行
⇒始発列車前に上下線に回送列車を運行し、線路上の雪を敢えて舞い上げ、車体に
付着させます。これにより、始発列車への着雪量を極力減らし、雪落とし作業時
間を短縮させます。
・雪の舞い上がり、車体への雪付着状況の把握による適切な速度規制の決定(図6、7)
⇒一部のN700系に搭載した車上カメラにより雪の舞い上がり状態を、また降積
雪の多い区間の両端に設置した地上カメラにより車両床下の着雪状況を、総合指
令所がリアルタイムで把握することができます。これら情報により、総合指令所
は適切な運転速度を速やかに決定します。
※詳細は別紙をご覧下さい。
「東海道新幹線の雪対策について」 ( 900kb / PDFファイル)
- ※ニュースリリースに掲載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承、ご注意をお願いいたします。 - ※一部のニュースリリースについては、一定期間をもって更新・削除をさせていただく場合もあります。
- ※【社長会見】の記載のあるものは、定例記者会見にてリリースしたものです。