2013.10.24【社長会見】東海道新幹線における軌道回路設備のデジタル化完成について
東海道新幹線では、マイクロエレクトロニクス(ME)技術の活用により、リレー接点(機械的なスイッチ)を排除することで故障頻度を低減し、常時監視、遠隔での故障内容の特定・処置等を行うことによる信頼性向上を目的として、平成11年度から軌道回路設備のデジタル化を進めてきました。
現在、その最終段階として、変電所の切替用開閉器を制御する軌道回路設備の工事を実施しています。新設備への切替は、平成25年11月末に完了する予定であり、これにより東海道新幹線の軌道回路設備のデジタル化が完成します。
1.デジタル化のメリット
軌道回路設備について安定性が向上するほか、予防保全と異常時の早期復旧が可能。
・故障頻度の低減:機械的な駆動部分がなくなることによる故障頻度の低減。
・軌道回路設備の常時監視:信号電流のレベルデータを総合指令所等にて常時監視することで、
異常が発生する前に点検等の処置が可能。
・遠隔での故障内容の特定と処置:故障が発生した際、総合指令所等にて遠隔で故障部位を特定し保守区所で処置が可能。
2.現在の工事内容(平成23年5月〜平成25年11月)
・変電所の切替用開閉器を制御する軌道回路のデジタル化工事(別紙)
・箇所数:全14箇所、工事費:約10億円
3.これまでの軌道回路のデジタル化工事と成果
「新ATCシステム導入」(平成11年度〜平成17年度)
・ME化により軌道回路の信号をデジタル化することで、より多くの情報を車両側に提供が可能。
・前述のデジタル化のメリットに加え、車上装置のシステムを更新することにより、「スムーズなブレーキ制御による乗り心地の向上」
「車種ごとのブレーキ性能を発揮させることによるダイヤの弾力性の向上」を実現。
・N700系車両から導入した「車体傾斜システム」や、最新のN700A車両(平成25年2月デビュー)に搭載された「定速走行装置」も
新ATCの技術を用いて実現。
※ATC(Automatic Train Control)について
先行列車との間隔や進路の条件に応じて、運転台に列車の許容速度を表示し、列車がその速度を超えた場合は
自動的にブレーキをかけて許容速度以下にする装置のこと。
4.累積工事費
・約410億円(地上設備のみ)
※詳細は別紙をご覧下さい。
「東海道新幹線における軌道回路設備のデジタル化完成について」 ( 365kb / PDFファイル)
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