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2009.10.21定例社長会見(平成21年10月・東京)

◆ 東海道新幹線における地震対策について
 
 東海道新幹線における地震対策については、これまでに、高架橋柱・盛土等の土木構造物の耐震補強、早期地震警報システムの導入、第2総合指令所の開設になどに取り組んできました。
 
 平成20年10月の会見でもお知らせした通り、今年3月に高架橋柱については、19,600本のうちの一部を除いて完了し、盛土、橋脚についても、特に地震動が強いと想定される地区についての耐震補強対策を追加し、平成26年度内完了目途に実施中です。
 
 一方、平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震により、構造物に大きな損傷がない場合であっても上越新幹線を走行中の新幹線が脱線するという事故が発生しました。これを受け、地震時の脱線防止と逸脱による被害の拡大防止を目的とした対策の検討に着手し、当社の小牧研究施設の試験装置を活用した実験による脱線メカニズムの解明、本線への試験敷設など、実用化に向けて必要な検討を着実に進めてきました。
 
 この度、その検討結果が取りまとまったことから、従来から進めてきた東海道新幹線における地震対策に加え、新たに脱線・逸脱防止対策を実施することとしました。
 
 脱線・逸脱防止対策を大別すると、脱線防止ガード、逸脱防止ストッパ、土木構造物対策の3種類です。
 
 まず、脱線防止ガードについては、脱線防止ガードをレールの内側に並行して敷設し、地震時の脱線そのものを極力防止するものです。地震時の脱線に対し、脱線防止ガードが有効に作用することを実験で確認しました。その例として、地震時の脱線形態の1つであるロッキング脱線と脱線防止ガードの作用について、ご説明します。
 
 地震で線路が左右に揺れると、一方の車輪がレールと衝突し、その反動で反対側の車輪が浮き上がります。この状態で線路が逆に動くと脱線が生じます。これがロッキング脱線のメカニズムです。これに対し、映像のように、浮き上がった車輪の反対側の車輪はレール上に載っているため、この車輪の横方向の動きを脱線防止ガードが止めることで、脱線が防止されます。
 
 脱線防止ガードの効果が確認できましたので、平成18年10月から、脱線防止ガードの本線敷設試験を実施し、施工性や保守性などに問題がないことを確認しました。
 
 脱線防止ガードは、東海地震で特に地震動が強いと想定される地区及び脱線時の被害拡大のおそれが大きい高速で通過する分岐器の手前区間を中心に、軌道延長140kmに敷設します。
 
 次に、逸脱防止ストッパについてですが、逸脱防止ストッパを車両の台車中央部に設置し、万一脱線した場合に、脱線防止ガードで逸脱防止ストッパをガイドし、車両が線路から大きく逸脱するのを極力防止します。逸脱防止ストッパは、300系を除く、700系・N700系に今後投入するN700系を加えた142編成を対象として設置を行います。
 
 3点目の土木構造物対策については、脱線防止ガードを有効に機能させるため、地震時に土木構造物に生じる大きな変位を抑制することを目的に、@バラスト軌道、A盛土、B高架橋に対して各種の対策を実施します。
 
 まず、バラスト軌道に対しては、バラスト軌道の外側に壁を設けることで、地震時にバラストが崩れて流出するのを抑制します。従来から、鉄筋コンクリート製の壁を用いた工法を進めてきましたが、これに加え、コスト低減を目的に、当社の小牧研究施設で新たな工法を開発しました。この工法は、現地のバラストをジオテキバッグという網目状の袋に詰めて積み上げるものです。耐震性能は従来の工法と同等です。
 
 次に、盛土に対しては、地震時に生じる盛土の沈下を抑制するため、盛土ののり面に杭を打ち込む工法(地山補強土工)などで盛土を補強する対策を実施します。また、橋台裏の段差を抑制させるため、セメントミルクの注入など、盛土を固める対策を実施します。
 
 高架橋に対しては、地震時に高架橋間に生じる水平目違いや、高架橋上での揺れの増幅を抑制する対策として、PC鋼棒による高架橋の連結、X型ブレース工法による強化を実施します。これらの対策は、脱線防止ガードを敷設する140kmに対応した区間に実施します。
 
 なお、これまで紹介した工法のうち、X型ブレース工法については特許をすでに取得しており、脱線防止ガード、逸脱防止ストッパ、ジオテキバッグについては、特許出願中です。
 
 工事費は、全体で約380億円、工事終了は平成25年3月を予定しています。
 
 当社ではこれまでに様々な地震対策に取り組んでいます。従来から取り組んでいる高架橋柱、盛土等の耐震補強の仕上げに注力し、東海道新幹線の弱点をなくすとともに、それにプラスする形で、他社に例のない本格的な脱線対策である今回の対策を追加し、地震により強い東海道新幹線にしてまいります。
 
※詳細はこちらをご覧ください。 http://jr-central.co.jp/news/release/nws000404.html
 
◆「EXお出かけ早特」の新発売について       
 
 次に、「エクスプレス予約」の期間限定の商品についてお知らせします。
 
 「エクスプレス予約」については、更なる利便性向上策として、チケットレスサービス「EX−IC(イーエックスアイシー)サービス」をこの8月に、山陽新幹線区間および法人会員に拡大したところであり、9月の平日の取扱件数が3万8千件と前年同月と比べてご利用件数が約1.6倍になるなど、順調に稼動・普及しています。
 
 また、会員数についても、150万人を超え、9月末現在で、151万人となったところです。
 
 この便利でお得なサービスを多くのお客様にご利用いただきたいという想いから、会員のお客様が土休日にご家族やご友人とお出かけいただくのに便利でお得な「EXお出かけ早特」という商品を期間限定で発売することとしましたのでお知らせします。
 
 3日前までのご予約の方が対象になりますが、大変お安くご利用いただけるようになっています。おねだんは、例えば東京〜京都間が、通常13,520円のところ、12,300円となり、1,220円の割引。また、グリーン車のご利用では、通常18,160円が、14,000円と4,160円の割引となっており、特にグリーン車のご利用がお得になっています。
 
 割引率は東海道区間の普通車指定席用で8〜10%、グリーン車用で17〜23%となっており、席数限定ではありますが、設定区間の終日の「のぞみ」「ひかり」「こだま」の全列車にご乗車いただけます。
 
 また、会員のお客様の、ご家族やご友人との週末の旅行などにご利用いただけ、同一行程で最大6名までご予約いただけます。ただし、受取は会員ご本人のみ可としています。
 
 ご利用期間は、この10月31日(土)から来年1月11日(月・祝)までの間の、土曜・日曜・祝日、年末年始の期間限定の商品です。
 
 秋の京都へのご旅行や年末年始のご家族・ご友人でのご利用にぜひ広くご利用いただきたいとおもっております。また、JR東海ツアーズでは会員向けの旅行商品を設定するなど、会員向けサービスの充実も図っているところなので、是非、多くのお客様にご利用いただきたいと考えています。
 
※詳細はこちらをご覧ください。http://jr-central.co.jp/news/release/nws000403.html
 
 
◆「ひととき100号記念」新幹線俳句の募集について     
 
 東海道・山陽新幹線のグリーン車に搭載している月刊誌「ひととき」は、当社のグループ会社、潟Eェッジが発行する旅の雑誌ですが、2001年8月に創刊されて、昨日発売の2009年11月号で通巻100号を迎えました。これを記念して、「新幹線俳句大賞」を募集しますので、ご紹介します。
 
 月刊誌「ひととき」は旅の楽しさを、地域の文化や歴史に触れながら提案し、多くの読者にご愛読頂いてきました。今回は100号を記念して、旅の楽しみを提案する企画として俳句を取り上げるものです。芭蕉をはじめ、多くの俳人が旅にあって名句を残したように、俳句と旅とは密接な関係にあります。俳句を募集し、紹介することで、新たな旅の楽しみを皆様にご提案できると考えています。
 
 「新幹線」または「ひととき」にちなんだものをテーマに、本人が制作した未発表の俳句であれば、どなたでも応募できます。
 
 大賞にはホテルのスイートルームの宿泊券や旅行券、優秀作品には有名料理旅館やJR東海・西日本グループ会社の各ホテルでの宿泊券、沿線各地の名産品など、旅にちなんだ賞品をご用意しています。特別協賛の京都市観光協会、伊勢志摩観光コンベンション機構、DISCOVER WEST連携協議会にもご協力いただき、100号記念にお寄せいただく力作にふさわしい、充実した賞品をご用意しています。
 
 選考委員は作家の嵐山光三郎氏、鉄道写真家の広田尚敬氏、女優の藤田弓子さんと私、松本の4名。選考委員長は読売俳壇選者で雑誌「澤」主宰の小澤實氏にお引き受けいただきました。合わせて5名で最終審査を行います。いずれも「ひととき」本誌の連載や特集などで関わりのある方々で、今回の選考委員もご快諾をいただきました。
 
 入賞者ならびに入賞作品については、月刊誌「ひととき」2010年5月号(4月20日発売)で発表するほか、以降の誌面や潟Eェッジのホームページでご紹介する予定です。
 
 旅に出て俳句を作る、あるいは俳句を作って旅に行くなど、皆さまに旅を楽しみ、日本のすばらしさを再発見していただくことをコンセプトにした「ひととき」ならではの「新幹線俳句大賞」。皆さまから多くの応募をお待ちしています。
 
 

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